うたかたの蔭にて-ユグラシアblog-

アクセスカウンタ

zoom RSS 胸におちた翼

<<   作成日時 : 2006/10/02 21:02   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0


朝起きると、胸から出血していた。
ちょうど私の胸に刻まれたものの真ん中、心臓にあたる部分にあるほくろから。

傷はふさがっていて、傷口は痛くてかゆい。

癒えない傷跡が流した血をみて、私はほっと息をつきながら。
涙がでていた。

私のつばさ。

消えないように刻まれた、羽と水をかくひれをもつ蛇の刺青。

心のなかから消えてしまわないように、癒えない傷を自ら選んだ。

もう7年も私とともにあるそれは、少しあせたように、そしてしっとりとなじんだ色彩でそこにある。

それが血を流していて。

傷跡はいつでも、その内側が傷ついていることを教え続ける。

汗ばんだ喪服の内側でラップに覆われ、血と肌には不似合いなくらい鮮やかな彩と、内側が吐き出すヘドロを、帰り道に何度も見つめていた。

毎日吹き出す膿と、根付こうとする色彩と、失ったものと、戦いのように一ヶ月向かいあって。

ぽっかりと空いた芯の上に、勝ち誇ったかのように羽は広がり、つかの間私の空白を埋めてくれた。

それでも
その下に隠れた虚ろなものを、私は忘れることなんてできなくて。

羽は、飛ぶこともその難しさも教えてくれた。そして、羽をもつものの宿命も。


どこか、飛んでいってしまいたい。

限りなく遠い場所に。

そこに近付きたい。
あの人がいる場所に。


そこがどこかを考えないようにすると、空っぽの胸がいつも証する。

この胸には何もつまっていないと。

あの日失ったものを埋める何かなんて、見つけられるはずもないんだと。

毎日空を見上げてる。

羽も空を見上げてる。
飛ぶことをのぞんで。

ごめんね、私の胸に宿ったばかりに、飛ぶことをしらず。

願いと虚ろの深さに堪えるばかりで。

飛んでいってしまいたい。

あの場所まで。

つばさが帰る場所まで。

私なんて死んでしまえばいいのに。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
胸におちた翼 うたかたの蔭にて-ユグラシアblog-/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる