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zoom RSS 夕暮呼吸。

<<   作成日時 : 2006/10/29 17:38   >>

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今日は1日家にいた。

本当なら予定があったのだけれど、睡眠調整が上手くいかなくて、私を置いたまま、舟はいってしまった。

もう、必要なくなったチケットを手にして、休日にしては早すぎる六時の空を憂鬱な気分で見上げていた。

金曜日の予報では、今日は雨のはず。
雨ならば、雨天中止でこんなに落ち込むこともないのに、そらは冷たい澄んだ空色をしている。

しなきゃいけないことはいくつでもあって、そういう風に人はいきていくようにできてるはずなのに、私の体はちっとも動いてくれない。

七時になって大分空の青が濃くなってきて、東北東向きの私の部屋のベランダにも少し陽がさしていた。

枕元のサボテンが、少し元気な色にみえて、サボテンを外にだしてあげるために、ようやく足が床を踏みしめた。

私の部屋の唯一の生き物。

死んでしまった兎の代わりにと、今はもうあえなくなった友人がくれたサボテン。

どんなに水やりをさぼっても、どんなに無視しても、生き物の気配は私も生き物であることを思い知らせるかのように、じっとりと部屋にしみついている。

私は今日とゆう日を、サボテンと過ごしてみることにした。

九時過ぎの町が、1日に二回通るかわからない貨物列車の音で目覚めて、少しざわついてくる。

私は昨日の残りのスープとチーズトーストをたべながら、サボテンに水をやる。二三回は私に倒されているサボテンの鉢は、少しヒビがはいっているから、ゆっくり水をやらないと、土や水があふれてくるのだ。

雨がふる気配なんて何にもないまま、昼を迎えて、空気の澄んだあたたかい中で本を読んでいた。
サボテンは何だか、部屋に居るときより元気そうだ。トゲがぴんと光のなかでひかっている。
気まぐれに、サボテンを洗ってみた。
枯れた蕾や、しみでていたかさぶたみたいなのを拭うと、妙にぴかぴかして、じんわりぬるくなった植木鉢のなかで嬉しそうだ。

なんて思いながら。

日が傾いてきたのに気付いたのは、本がよみにくくなったころ。

見上げた正面の左右、マンションが夕陽にそまってきた。

ゆるやかにふいていたかぜの質感がかわっていくのを、感じながら空を見上げた。

それは紛れもなく秋の空で、そう言えるのは、春の空や冬の空と違うとしっているからだ。

どこからか、シの音がきこえてくるような、まっすぐに澄んだ空だった。
風はソの音で重なって、寂しく明るいおとで、ひびわれた私とサボテンの1日にふりそそいだ。

いつもの夕暮れ。

でも二つとない今日と、とどまることのない時に包まれた全てのもの。

空も風も。

町も人も。

全てのものが等しく夕暮れを迎えて、私は生きていくということの曖昧な輪郭を思った。

とても切ない気持で生きている、と思った。

生きているから、だから私は、次は何をしよう。

そんなことを思いながら、美しく空にトゲをのばす、サボテンをみると、何かとても大切なものに見えてきて、私は大事にそれを抱えるて、部屋に戻る。

大切なものをみつけた、夕暮。

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