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zoom RSS あたたかさをしっている

<<   作成日時 : 2010/06/03 21:08   >>

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私の古い記憶には
温度がない

寒度はある
雪の庭に締め出されて
はだしで物置の中で
季節に追い出された鯉のぼりに身を寄せた

しびれるような指先で、氷のような鍵盤をたたいたり

真冬のプールにおとされた上履きを拾ったりした時の


だけど、温度がない

一度くらいあっていいのに


どれだけ探しても
見つからないのは
たわいがなくて
おぼえてないのではなく


ただ単にないのだと
理解してしまった。

迷子になる姉のようにならないようにと
私は決して両親から目を離さなかった

だから、両親に手を引かれたことはない
1つ上の手のかかる姉に
両親は手一杯で
私は泣かない良い子だったらしい
かわりに可愛げもなくて

成績があまり良くない姉のようにならないように
成績が良くて当たり前で
ほめられる必要がなかったから

撫でられた記憶もないのだろう
姉はただ花丸をもらっただけで
自慢できたのに
私には
そんな拙さが足りなかった


人に触れたい
人に触れられたい


けれど、
初めて知った人の熱は
狂気をはらんだもので
私は恐怖した


だからこそ、
私は自分の醜い手首の傷口に
ただ手を重ねられただけで
立っていられないほど
泣いたのだろう


ただ抱きしめてくれただけの夜に
死にそうなくらい幸福に眠ったのだろう

たとえそれが
今はもう失われてしまったものだとしても

ぬくもりは
私の中に記憶されている



人のあたたかさを
私はおぼえているから
誰かをあたためられるその日まで
もう少しだけ
生きてみたい

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